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2026年05月06日

「大好きな家」を建て替え。

カテゴリー :家づくりを考える

25年前。
ご夫婦と娘さん2人、
4人家族で暮らすために建てた一軒の家。

その家は、
エアサイクル東京
(当時はエアサイクルハウジング)
で建てられた
自然素材とエアサイクル工法の住まいでした。


家族の変化と、住まいの違和感

それから5年後、ご主人が他界。
娘さんたちも独立し
Tさまは広い家にひとりで暮らす日々が始まりました。

大好きな家。
けれど、「広すぎる」と
感じるようになったそうです。

庭も広く、植栽の手入れも大変。
だんだんと負担になっていきました。


「マンションに住み替えようかな…」と思ったとき

ペットのワンちゃんと一緒に
マンションへ引っ越すことも
考えたそうです。

でも、娘さんの一言が転機になります。
「この土地を手放すのは、
もったいないんじゃない?」


“住む”から“活かす”へ。賃貸併用住宅という選択

そこから始まったのが
賃貸併用住宅への建て替え計画でした。

・自分はコンパクトに暮らす
・土地は残す
・家賃収入で安定した暮らしへ

“守る”だけでなく、“活かす”という発想です。


ペットと暮らす人のための賃貸にした理由

オーナー様ご自身が
ペットと暮らしているからこそ
こんな想いがありました。

「ペットと気兼ねなく暮らせる場所をつくりたい」

そして、少し面白い視点も。

「一部だけペットOKにすると、ペットを飼っていない人が音やにおいを気にするかもしれない。だったら、みんなペットがいれば気にならないんじゃない?」

こうして、ペットと暮らすことを前提にした
賃貸住宅
が生まれました。


25年住んだからこそわかる「自然素材の良さ」

以前の家も無垢フローリング。
ワンちゃんと一緒に暮らしてきました。

そこで実感していたこと。

・身体にやさしい
・傷や汚れは気にならなくなる
・むしろ味わいになる

だから、新しい家でも迷いはありませんでした。

「やっぱり、自然素材がいい」


賃貸なのに、無垢の床

今回の住まいは
オーナー住戸+賃貸2戸の3戸構成。

特徴的なのはその仕様です。

・リビングは無垢の杉フローリング
・階段や壁にもできるだけ自然素材
・賃貸なのに“本物の素材”


「気持ちよさ」と「使いやすさ」のバランス

ただし、水まわりだけはクッションフロアを採用。
理由はとても現実的です。

・水がこぼれたときの対応
・油汚れ
・日常の手入れ

つまり、

心地よさは自然素材で
使いやすさは新建材で

賃貸住宅に住む人が
気を遣いすぎないように…
というオーナー様の配慮です。


ペットと暮らすための工夫

暮らしの細部にも
オーナー様の想いが詰まっています。

・ペットを洗える深型の洗面台(LIXIL製)はバックパネルつきで、水撥ねも安心
・散歩後に便利な足洗い用の立水栓
・玄関横のリードフック

「ペットと一緒に快適に暮らす」を設計しました。


テラスハウスという選択

賃貸部分はテラスハウス形式に。

これが実は
とても大きなメリットになります。

  • 上下階の騒音が気にならない
  • 玄関が独立している
  • まるで戸建てのような暮らし
  • 玄関の目の前に専用駐車場

賃貸だけど戸建て感覚」なのです。


思い出を引き継ぐという選択

今回の建て替えでは
以前の家の部材も再利用しています。

  • 階段手すり
  • 照明
  • 門扉
  • 表札 など

既存のものを活かす場合
丁寧に取り外し
傷つけないように保管し
サイズや納まりを確認しながら
もう一度取り付ける必要があります。

場合によっては
そのまま使えないこともあり
調整や加工の手間もかかります。

だから、壊して新しくつくる方が
工事としてはずっとシンプルです。

それでも、T様は
「使えるものは、できるだけ使いたい」
「思い出のあるものを、新しい家でも使いたい」
という想いを持たれていました。

私たちは、その想いに
できる限り応えたいと考えています。

手間がかかることよりも
その住まいに込められた
時間や記憶を大切にすること。

それも、家づくりの
大切な価値のひとつだと考えています。


自然素材の家に、もう一度住みたいと思えた理由

25年住んだ方が
もう一度同じ選択をする。

これは
その家の満足度
何よりの証明です。


賃貸でも、自然素材にする意味

なぜ、コストのかかる
自然素材を賃貸に使うのか。

理由はとてもシンプルです。

  1. 長く価値が続く家
    自然素材は、時間とともに劣化するのではなく、風合いが増していきます。
    張り替えや交換を前提としないため、長く使い続けることができます。
  2. 入居者に選ばれる家
    無垢材の床や自然素材の空間は、足触りや空気感がやわらかく、
    写真や言葉だけでは伝わらない「心地よさ」があります。
    内見したときの体感が、選ばれる理由になります。
  3. 空室になりにくい家
    自然素材の賃貸住宅はまだ多くありません。
    他にはない特徴があることで、比較されたときに選ばれやすくなります。
  4. 健康に配慮できる家
    自然素材は湿度を調整し、カビやダニの発生を抑えやすく、
    空気環境が整いやすいという特長があります。
    毎日過ごす場所だからこそ、身体へのやさしさにつながります。

 

そして何より
「自分が住みたい家を貸す」
という考え方。


「どうせ賃貸だから」ではなく

この住まいには
はっきりとした意思があります。

「誰かが大切に暮らす家だから」


そしてもうひとつの想い

これは、オーナー様が言葉にされたわけではありません。

でも、きっとある想い。

「自然素材の心地よさを、もっと多くの人に知ってほしい」

まずは賃貸で住んでみる。
そして、その良さを実感する。

そんな“きっかけの住まい”でも
あるのかもしれません。


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