家は「つくるもの」か、「組み立てるもの」か
カテゴリー :家づくりを考える
最近の家づくりを見ていると
ふと考えることがあります。
「これは、つくっているのか。
それとも、組み立てているのか。」
大工がいなくても家は建つ時代
今の住宅は、工場であらかじめつくられた部材を
現場で組み立てていくスタイルが主流になっています。
マニュアル通りに進めれば、
誰が施工しても一定の品質になる。
工期は短くなり、コストも抑えられる。
とても合理的な仕組みです。
ただその一方で、現場での“手仕事”は、
少しずつ減ってきています。
昔は大工や左官職人の
技術によって仕上げられていた部分も、
今は工場製品に置き換えられることが増えました。
技術が必要とされなくなると、どうなるか
現場で技術が求められなくなると、
職人の腕を磨く機会も減っていきます。
大工さんの高齢化や
若い世代の職人が減っているという話も
こうした流れと無関係ではないように感じます。
本来、家づくりは人の手によって
仕上げられるもの。
その積み重ねが
住まいの質をつくってきました。
「つくる」から「買う」へ
よく考えてみると
これは住宅に限った話ではありません。
洋服も、セーターも
今はほとんどの人が「買う」ものになりました。
手間や時間をかけてつくるより
既製品の方が安く、早く手に入る。
合理的で、効率的な選択のひとつではあります。
「食」も「買う」が主流になるのか
街には「家庭料理」と書かれたお店や
できあいのお惣菜があふれています。
忙しい日々の中では
とても便利な存在です。
でも、それが当たり前になってしまうと
少し心配になります。
なぜなら、食はそのまま
身体に入るものだからです。
素材から考えるということ
何が使われているのか。
どんな材料でつくられているのか。
それが分からないまま
口にするものが増えると
気づかないうちに
身体への負担も増えていくのではないか
…と心配になります。
「時間と手間をかけて、身体に良い食事を作ろう」
と言っているわけではありません。
本来、料理はもっとシンプルでいいはずです。
季節のものを選び、素材の力をそのまま活かす。
それだけで、十分に美味しく、身体にもやさしい。
「食」と「住」は似ている
ここで、もう一度「住まい」に戻ります。
家づくりも、実は同じです。
どんな素材を使っているのか。
どんな人が、どんな想いでつくっているのか。
それが見えなくなったとき、
住まいはただの「商品」になってしまう。
でも本来は、家もまた、身体を包む環境のひとつです。
手でつくるという価値
人の手でつくられたものには、
独特のあたたかさがあります。
少しのゆらぎや、均一ではない表情。
そこに、つくり手の気配が宿ります。
そしてそれは、
住む人の安心感にもつながっていきます。
時代の流れの中で、守りたいこと
「衣」「食」「住」。
どれも、時代とともに変わってきました。
便利になったことは、間違いなく良いことです。
でも、健康に関わるものは、
流れに任せきりにしないほうがいい。
そう思っています。
住まいを、もう一度見直してみる
家を選ぶということは
空間を選ぶことではなく
暮らし方を選ぶことです。
素材、空気、つくり方。
少しだけ目を向けてみると
見えてくるものが変わってくるかもしれません。







