海苔は地球の恵み
カテゴリー :家づくりを考える
長年、私たちの食卓に香りと風味を届けてくれる海苔。木更津市の中川海苔店さんに海苔と自然環境との深いつながりについてお伺いしました。
~山と海、つながっていた栄養の道~
インタビュアー
海苔って自然環境とどう影響しているのですか?
中川海苔のSさん
太陽光と海の中の栄養塩類で成⾧する 海藻が海苔なんですが、近年、栄養塩類の不足と温暖化の影響で海苔がとれなくなってきています。
山の木々が雨水を吸収し、その中のミネラルが川を通じて海へ流れ込むことで、海苔にとって必要な栄養が届けられていました。
ですが、山にソーラーパネルを設置する為の森林伐採が急増し、木々が減ることで海に流れていた栄養も減少。海苔の生育にも影響が出ています。
さらに温暖化で、海水温の上昇が魚の生態系に変化をもたらし、冷たい水を求めて移動してきた新しい魚たちが網についた海苔を食べてしまうのです。
網の周囲にもう一重網を張るなどの対策をしてますが、すり抜けて食べてしまったり、コストもかさみ、後継者不足にも拍車をかけています。
その一方で海外での日本食ブームの影響で、希少価値が高まり、高額で取引されるようになってきました。
~水質改善が、海苔にとっては逆風に?~
中川海苔のSさん
今では当たり前となった水質浄化ですが、昭和の日本の生活排水が流れて汚れた川には海苔の生育にとって必要なバクテリアがたくさんいました。海苔にとっては良い環境だったんです。現在の中国の川がその当時の日本に近い状態で、意外にも美味しい海苔が育っています。
インタビュアー
水質を良くしているつもりが結果的に海苔が生育出来にくい環境になっていたとは驚きです。
~環境の変化の中でも、中川海苔店さんおすすめの逸品「青まぜ」~
インタビュアー
先日、モデルハウスの上映会の時にベアーズさんがおにぎりと一緒に出された中川海苔さんの「青まぜ」という海苔が参加者の皆さんから「美味しい、美味しい」と大好評でした。
中川海苔のSさん
「青まぜ」は、海苔のシーズンが始まる一番最初にとれる希少な海苔です。
冬の寒くて海水温が低い限られた時期に、やわらかい黒海苔に青海苔が自然にくっつく事で、香りが良く柔らかい食感の「青まぜ」が出来上がります。千葉県産の青まぜはとくに美味しくてオススメです!

お話を伺った中川海苔店のSさんは弊社のお施主様です

希少な海苔「青まぜ」
~取材を終えて~
試食させていただいだいた「青まぜ」は、口に入れるとふわっと鼻をぬける磯の香りがとても強くて美味しい海苔でした。くちどけが良く、食べた後も磯の香りの余韻が残ります。近くにいた人にもこの海苔の香りが伝わるくらい。
流通量が少ないため、スーパーには並びにくい商品だそうです。、気になる方はぜひ中川海苔店さんのHPを覗いてみて下さい。夏休みの帰省やお土産にもぴったりの一品です!
中川海苔店オンラインショップ https://www.nakagawa-nori.com/page/1
取材・撮影 小髙紗由里