新緑の季節に「外とつながる家」を考える
カテゴリー :家づくりを考える
5月。新緑がまぶしく、木々の葉が風にそよぐ音まで心地よく感じられるこの季節。
家の中にいても「外を眺めたり、自然の豊かさを感じたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
この時期は、家づくりの視点でも“自然とのつながり”を見直すのに最適なタイミングです。
今回は、庭や周囲の緑を暮らしの中に取り込む「外とつながる家」の工夫についてご紹介します。
「外に出る」のではなく、「外とつながる」
最近は“アウトドアリビング”という言葉を耳にすることが増えました。
ウッドデッキやテラスを、第二のリビングとして使うご家庭も増えています。
アウトドアならではの楽しみ方があるのはもちろんですが、でも室内に居ながらふとした瞬間に風や光、季節の気配を感じられると人は安らぎを覚えるものです。
窓の“向こう側”を設計に取り込む
住まいにおいて、外との接点をつくるのは窓です。その窓をどう配置し、どこに向けて開くか。
たとえば南側に広がる庭や、借景としての街路樹、公園の植え込みや木々。視線の先に「癒し」がある窓は、それだけで暮らしを豊かにしてくれます。
また、リビングの掃き出し窓の前にウッドデッキを設けると、視覚的に内と外がひと続きの空間になり、リビングの実質面積よりも広がりを感じられるようになります。
光と影のバランスを設計する
かつては日本のどの家にも軒や庇(ひさし)がありました。
季節によって太陽の高さは変わります。
夏の高い陽射しは軒で遮り、冬の低い陽射しは室内の奥まで届ける。
こうした光と影の調整は、冷暖房効率だけでなく、室内の居心地そのものに直結する要素です。
季節を取り込む設計は、感性を育てる
窓際にお気に入りの椅子を置いたり、外の景色を切り取るようなピクチャーウィンドウを設けたり、風の通り道を想定して窓を計画したり。
こうした設計の工夫は、家族の感性や暮らし方にも影響します。
特にお子さんのいるご家庭では、日々の中で自然に触れる機会を意識的に設計に組み込むことで、学びや感受性の土台にもなります。
5月の新緑のように、光も風もやわらかく、自然が一番近くにある季節。
この時期だからこそ、暮らしの中に「外」を取り込むことの意味を改めて見つめてみてはいかがでしょうか。
家と外がつながる設計は、日常をちょっと特別にしてくれるものです。