無駄なものは要らない

愛知県Kさん(サポート建築) 2004年建築

取材:阿部葉子

2013年6月。夏を感じさせるような強い日差しの暑い日に、尾張旭のKさん宅を訪ねました。

幹線道路から閑静な住宅街に入ったところに建つ、大屋根片流れ、庭の緑が家を一層引き立てている佇まいのいい家。車の音を察して玄関先まで出てきてくれた奥様の笑顔に初めて訪問する緊張も吹き飛びました。 駐車スペースにあるシンボルツリーが気持よく風にゆれていて、その脇を通って玄関ドアを開けると、無垢の木の家らしい落ちついた印象、作り付けのベンチには 、アイアンの一輪挿しが飾れている小粋な玄関でした。

主玄関から家族用の玄関を通ってキッチンに直接入ることもできる間取り。そしてPACの家に入ると感じる、独特な感じ、体にやさしく快適な空気感を感じました。

(外気温度29℃ 室内温度25℃ 湿度49%)

くつろぎの間へ入った瞬間、庭の緑と吹き抜けの大空間、そして太い梁組が目を見張るほど。 とてものびやかな開放感で、思わず天井を見上げてしまいました。この梁に梁がのったような十字に組んだ梁組は「渡り顎(わたりあご)」。梁の力強さをさらに感じさせています。使われている梁や床材、窓枠や造作、手すりなど木部は、国産のスギや桧。

新築当時は、赤ちゃんの肌のようにほんのり桃色だったことでしょう。 9年経ち飴色に焼けてすっかり馴染み、落ち着いた色合いになっていました。自然素材の良さは、時間が経つことで馴染み味わい深くなっていくことだと思います。

また、家に入った時感じる独特な快適感も、PAC工法+自然素材(呼吸している材料)の効果です。 床の手入れは普段掃除機のみ、1年に一度ワックスをかけるぐらいとのことでした。

室内はくつろぎの間を中心に広がり、建具はすべて引き戸、普段は開けてワンルーム感覚で 過ごされているそうです。この日も南北・東西によく風が抜けていました。

1階に玄関・家族玄関・キッチン・くつろぎの間・寝室・洗面浴室・トイレ・階段下収納があり、 将来歳をとり階段の上り下りが難しくなっても1階だけで生活が出来るようになっています。

階段を上ると2階は、納戸・予備の間・子供部屋、そしてバルコニー。大きな吹き抜けから一階のくつろぎの間を見下ろすのはとても楽しい眺めでした。
各階にまとまった収納スペース(納戸)があることも、すっきり片付いた家を保てる要素だと思いました。

奥様は、くつろぎの間にある階段に座りながら 「庭の木々が風にゆれる様子を眺めるのが好きです。」と教えてくれました。

Kさんの家づくりについてお話を伺いました

当時は社宅に住んでいて、お子さんの小学校入学前に家づくりを計画。
縁あって土地も見つかり、さてどんな家を建てようか、住宅展示場も一通り見学されたそうです。「当時も素敵なモデルハウスは沢山ありましたよ、でも、いろいろ有り過ぎて、だんだん私は 疲れてしまいました。

もう、あるハウスメーカーでいいかなと思っていたのですが、主人が家の熱環境、断熱の外と中について納得できる説明がないと決めかねていました。

そんな時にPACの資料請求はがきを出し、資料が届き、直接説明を聞き、やりとりをしてやっと 納得できる家を見付けたと決めました。」

設計者と打ち合せがはじまると、奥様は子供のころから新聞チラシ等にある家の間取りを見るのが好きだったこともあり、 要望資料として自分でも間取りを描いたそうです。

そして設計者から提案されたプランは「今まで思いもよらなかった間取り、木をたくさん使った プランに感激して、素敵だなと思い、プランもすんなり決まりました。

着工して、現場で地縄を張ってもらった時は、とっても小さく見えてなんとも心配でした が、柱が立つとそんなことはありませんでしたね(笑)。」

そして入居から9年が経ち、お子さんたちは中学3年生と1年生。梁に下げたアタック練習用の バレーボールが、低く感じるようになるほど成長されました。

夏と冬の過ごし方について伺いました

主な冷暖房機・・・クーラー1台 シーリングファン1台

扇風機 オイルヒーター1台。(PAC専用のかくれんぼう設置なし)

「夏は、窓を開けて風通しを良くしているので、クーラーを一日中つけることはないです、 クーラーは、猛暑の時、我慢できない時に使う程度。風呂上がりなどにクーラーにあたって 涼んだりすることはあります。

冬は、オイルヒーターを使いますが、立ち上がりまでクーラーを補助的に使用。 温かい空気が吹き抜けに上がってしまうので、シーリングファンで下に温かい空気を下すように しています。」

シンプルですが、快適に暮らしているとのことでした。

 

【電気料金】

夏 おおよそ5,000月/円程度
冬 暖房機具(オイルヒーター)使用ピーク月は20,000円程度

【ガス料金】

夏 おおよそ5,000/月程度
冬 おおよそ7,000円
/月程度

 

名古屋市平均電気料金 おおよそ9,400円/月
平均ガス料金 おおよそ8,700円/月   ※(木造2階建4人家族・中部電力データ)

もともと、必要以上の快適さを求めず、無理せず自然と寄り添って生活する、 できるだけ無駄なものはいらないというスタンスで生活されてきたKさん。 家づくりで衛生設備を選ぶ際も、必要以上の機能がついているものが多く、 はたして本当に必要なのだろうかと考え、シンプルなものを選ばれたそうです。

震災以降住宅の省エネや創エネに多くの人が関心を持つようになり、 太陽光発電をはじめ、創エネの先行投資として高額な設備を取り入れることも増えてきましたが、 パッシブなPACの家を上手に住みこなしながら 出来るだけ無駄なものはいらないとするKさんの生活は、 私たちが上手にエネルギー問題と向き合っていくベースになるように感じました。

Kさんにとって、家を持つということはどんな意味を持つものかお聞きすると 「この家が納得した生活を支えてくれています。安定した土台がしっかりとでき、ぶれない生活が おくれています。

親として、ここで子供達が育っていってくれることは感慨深いものだなと感じています。」

とゆっくり言葉を噛みしめながら答えてくれました。 最後、帰り際に家の外観の写真を撮らせてもらいながら、奥様が嬉しそうに 「今でも、時々、部屋に黄色の明かりがともると、 家の周りをまわって我が家を見るの、いいなぁって。」

この家はとても大切にされて幸せな家だなぁと感じながら嬉しく訪問を終えました。

PAC住宅体感&見学できます

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