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地震について

もう少し詳しくPAC住宅の地震へのメリットを教えてください

前回、PAC住宅の地震への考え方を、日本の木の家すなわち在来軸組工法をベースにしているという観点からお聞きしましたが、PAC工法そのものからは地震に対してはどうなのでしょうか?

抜け落ちている時間的要素

地震に強いとか弱いを考える場合、時間的要素を考慮に入れなければいけません。建築直後に地震に強くても5年後10年後はどうなのだろうか、という問題です。

日本の気候風土からくる問題は湿気

どんな家を建てても、気候風土の影響を免れることはできません。こと住宅に関しても湿気の問題を軽視しては、後で悔やむはめになってしまうかもしれません。
湿気によって地震に弱くなってしまうということはどういうことでしょうか。
根本的問題点から施工レベルの詳細な問題点まで様々に考えられます。
目先の強度を重要視しすぎ、湿気の及ぼす時間経過による弱体化すなわち腐れの問題が考慮されていない。
腐ってしまってはどんな工法でも、地震に弱くなってしまうことは、当たり前のことです。しかし、この当然の現実が、軽視や無視されていることはどうしたことなのでしょうか。
前回は健康な家をつくるという観点から、日本の木の家である在来軸組工法が大前提であり、ツーバイフォーや鉄骨、コンクリートの家は最初から除外してしまいましたが、今回も同じです。湿気の目から見れば健康の問題も、構造が弱体化する問題も共通のことだからです。
ここでは、日本の木の家である在来軸組工法を前提に、湿気が及ぼす構造の弱体化、地震に弱くなってしまう問題を考えていきたいと思います。

屋根が先の、日本の木の家の原則が崩れてきた

一軒の家の建築中に、雨に降られないということは奇跡に近いことでしょう。
それゆえ、日本の家は屋根をなるべく早い段階でかけることを原則としてきました。上棟が終わると、すぐ屋根工事が当たり前のことでした。
この当たり前が崩されたキッカケは、ツーバイフォーやパネル工法などの導入からです。雨の少ない湿度の低い北米から来たツーバイフォーは、下から造り、一番高い屋根は最後ということは、むしろ合理的なことでした。
パネル工法は、その施工の合理性だけを取り出したもので、全体系を考慮されたものではありませんでした。
その流れが在来軸組工法にも及び、何と屋根が後回しの、軸組工法が出現してきました。いわゆる、木造合理化工法と呼ばれるものの大部分が屋根が後回しというお粗末さです。
軸組工法すらこの有様です。現在では、ツーバイやパネル工法、プレハブを含め、かなりの数の住宅が屋根が後回しにされています。5年後、10年後いったいどんな様子になっているのか恐ろしい感じがします。

木材は流れる空気に触れさせろ、が、日本の住宅の鉄則

土台や柱、梁を含む木材を腐らせずに長期にわたって耐久性を保つ原則は、常に、流れる空気に木材を触れさせておくことです。
そういう観点からみると、軸組やツーバイなど工法にかかわらず、ほとんどが失格ということになります。
それだけ日本の住宅の工法は、湿気に対する慎重さを見失ってしまいました。

PAC住宅は、すべての木材を流れる空気に触れさせている

PAC住宅の基本は、木材を流れる空気に触れさせることです。土台や柱、梁などの構造材は当然として通気層をつくる胴縁や下地の板など使用される木材のほとんどが、その恩恵にあずかっています。
その重要性は、ソーラーハウスとして自然の熱エネルギーを利用すること以上に根本的なことと思っています。なにしろ、建物の木部を腐りから守り、長期にわたる耐震性を確保する基本的条件なのですから。

金物で木材を腐らせない断熱の方法 外張り断熱

少し細部に入ってしまいますが、最近の住宅は建築金物で補強される事が普通になっています。昔のように、太い木材を大工の手加工で組んでいくことは少数になり、プレカット材を金物で補強するということが大多数になりました。
時代の流れで受け入れなければいけないことの一つだとは思いますが、よく考えなければいけない問題として、金属と木の組み合わせは、金属の接している木部が腐れ易くなるという事が残っています。
金属と木の熱性能は、全く異なります。金属は冷えやすく暖まりやすい。木はその逆です。
また、湿気に対しても逆の性能を持っています。金属は湿気の吸放湿性はありませんが、木は湿気の調整をする機能を持っています。
このことは、建築金物の部分で結露しやすいということを示しています。窓のガラス面やアルミの枠と同様のことです。
建築金物が使われる場所は、強度を補完しなければいけない場所です。そこの金物部分に結露が発生する危険性を思い浮かべてください。
現在主流になっている壁の中にグラスウールなどの断熱材を入れる方法は、建築金物部分がカバーされにくく、冷えやすい状況をつくっています。まるで、結露を促進するためにと言っても過言ではありません。
PAC住宅は、すべての金物を断熱の内側に入れる方法、すなわち外張り断熱で、金物と木部の温度差をなくす方法をとっています。
ささやかな細かい事のようですが、こうした小さな積み重ねも木部を腐れから守り、長期の耐震性能の維持に貢献しています。