間取りと設計
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中廊下をなくす その2. 階段と吹き抜けは家族空間に

間取りを考える1

中廊下をなくす その2 家族空間は一体に
 

LDK間取りでは、階段と吹抜けは玄関ホールにあるのが一般的です。
家族に会わないで2階の部屋へ行こうとすれば、玄関ホールにある階段はとても便利です。また、玄関ホールにある吹抜けは、訪問した人に大きく立派な家と認識させる装置としても優れています。しかし、家族とのふれあいを重視するならば話は逆になります。

 

吹抜けや階段はリビングに

玄関ホールを独立させて中廊下をなくすことが前回のテーマでした。
今回は、これまで主に玄関ホールにあった階段や吹抜けを家族空間の中に設けることについてです。
二世帯型間取りは後で述べるとして、単世帯の場合、家族のふれあいを重視すれば、階段や吹抜けは家族のいる時間が長いリビング等の空間に設けるのが望ましいでしょう。

 

階段の上り下りに家族の顔が見える

階段の主たる役割は1階と2階をつなぐ動線です。2階には子ども部屋や寝室など個人的色彩の強い空間が設けられることが多いのですが、リビングなどに階段があれば、必ず、その個的空間へ行くために家族スペースを通らなければなりません。
従来であれば、通路である中廊下を通って階段そして個室という動線でしたから、ずいぶんと趣が異なります。
上がり下りのたびに家族空間にいる家族と何らかのふれあいが生じます。
時には、それを煩わしいと思われることもあるかもしれませんが、もし常にそういう感情をともなうのであれば、もはやひとつ屋根の下に住むという状況ではないのかもしれません。
干渉するということと、ふれあいが多いということは違った次元のことです。
個の尊重やプライバシーは、家族との分離を示すものではありません、ふれあいの中からこそ健全に育まれていくものです。

 

吹抜けは1階と2階の家族の生活をつなぐ

玄関ホールに吹抜けでは、1階と2階の生活的つながりはありません。
生活の分離を希望する二世帯住宅でない限り、上下の生活は多少なりとも感じあえたほうがいいのではないでしょうか。
「見える、聞こえる、感じる」という空間づくりです。
吹抜けで1階と2階の家族空間を結ぶ、例えば、リビングの上に吹抜けがあり、2階の共用スペースなどとつながっている一体空間です。
もちろん階段と吹抜けをからめてもいいでしょう。
余程うるさい場合は別として、家族の雰囲気を感じながら、勉強したり、本を読んだり、趣味に耽ったりする方が、個室にこもるよりも、意外と集中できたりするものです。
そうした意味合いで、吹抜けの効用を考えてはいかがでしょうか。

 

光と風の通り道。デザインも美しく、PACでは寒くならない

階段と吹抜けスペースは、光と風の通り道でもあります。
1階へ自然光を落とす、上下の風通しをよくする、建物全体の温度の均一化に役立つなど効用は多岐にわたります。
またデザインとしてとらえても、美しく豊かな広々とした空間づくりに大いに貢献するでしょう。
和室の上の吹抜けも設計次第では素晴らしくなります。
さらに実用的に考えれば、吹抜け上部にロフトを設けるなど、様々な設計的工夫が可能です。
吹抜けは1階と2階をつなぎますから、暖房が効かない、効いても費用がかさむとあきらめる方も多数いらっしゃるようですが、PACの構造ではまったくその心配は無用です。
むしろPACでは、これまでつくりたくてもつくれなかった大きな吹抜けも積極的に設けられます。
そういうとPACは吹抜けが絶対必要と誤解されそうですが、そうではありません。吹抜けなしの豊かな空間づくりも十分可能です。

 

階段の上り下り口を戸で仕切ることも

逆に階段の存在を感じさせない遊び心のある演出も可能です。
階段を引戸で閉じられるようにしておけばいいのです。もちろん引戸ですから、開け放しておくことも自然です。
例えば二世帯で、吹抜けはつくらず階段を家族空間に設ける場合、この仕切り戸を階段の上下口に設ければ、遮音効果もアップします。

 

上下分離型二世帯の場合は玄関ホールに階段で省スペースも

生活空間を上下で分離したい二世帯住宅の場合も、必ずしも玄関が2つ必要とは限りません。敷地や建築面積、予算がふんだんにあれば別かもしれませんが、いろいろな制約がある場合は、玄関ホールを共用にして二階世帯に行く階段を玄関ホールに設ければ分離型の二世帯住宅の玄関として応用ができます。
省スペースにもなりますし、2軒分合せた広い玄関も可能です。
玄関と階段そして吹抜けの関係は、なかなか多彩な可能性を秘めています。

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