間取りと設計
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中廊下をなくす その1. 玄関ホールを個室に

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中廊下をなくす その1 玄関ホールを個室に


中廊下をなくす目的は、風通しや陽あたりを良くする、木づくりの美しさを映えさせる、家族のふれあいや空間の融通性を増やすなどです。
それは結果として、個室化するLDK間取りからの脱皮となりますが、そのための第一歩は、玄関ホールを個室化するという面白い逆説です。

 

玄関ホールを独立させ、中廊下をなくす

玄関ホールから中廊下そしてドアを開けて部屋へ入る、これがLDK間取りの典型です。
もし、玄関ホールが独立した小部屋になっていたら、中廊下の必要性はかなり少なくなります。
玄関ホールから引戸を開けて直接リビングへ入ることもできます。
もし玄関ホールが独立せず中廊下もなければ、玄関の戸を開けた瞬間、部屋の奥まで丸見えです。
その丸見えを防ぐ手段が中廊下とも言えます。
玄関から中にいる家族の姿が見えない、それは逆に玄関に入れば家族に見られずに、中廊下に連なっているどの部屋にも行けるということです。
玄関から中が丸見えでは困りますが、逆に、中からは玄関での出入りは見えた方が好ましいはずです。

 

玄関ホールを家族空間へ直接つなげれば、家族の出入りがわかる

家族が家にいるのかどうかわからない、いたとしてもどこにいるのか定かでない、といった普通とは思えない現象が最近では当り前になりました。
その原因の大半はLDK間取りにあることをこれまでに述べてきました。
そうした不自然さを解消させるために、玄関ホールを独立した小部屋とし、戸を開けてリビングなどの家族空間に直接つなげる間取りとしたら、どうでしょうか。
家族空間から家族の出入りがおのずとわかります。
一般的に、母親は家族空間や隣接するダイニングなどにいることが多いのですし、家族が家族空間に自然に集うような生活形態であれば、家族の一員が玄関から出入りするたびに、自然にふれあいが生じ、ただいま、お帰り、どこへ行くの? あら元気ないわね等、あたりまえのさりげない会話が交わされるでしょう。
こうした日常のごく普通の会話が自然に生まれる、それは最近とりざたされている家族崩壊に歯止めをかける第一歩と言えます。
そうしたことは特に子どもの成長期に必要なことでしょうが、子どもが巣立った後、夫婦2人になったとしても、又、最初から夫婦2人あるいは1人で暮らすことが前提の家だとしても、玄関ホールを独立させておけば、空間全体を広々と使い切ることができます。

 

家全体を広々使うためにも玄関ホールを独立小部屋とする

家全体の空間を広々と使うことを最大の目的とすれば、玄関ホールだけを小部屋として独立させ、あとはワンルームという形態がもっとも適しているのではないでしょうか。
この考え方を整理していけば、土地が狭い都市型住宅にも適した間取りとなります。
ワンルームは極端としても、リビングや台所、パソコンコーナーなど家族が共有して使用する空間をひとつながりにつくれば、かなり広々と使えます。

 

独立した玄関は風除室

北海道では玄関は独立してつくる事が基本になっています。厳寒の地ですから、その目的は、外と内のクッションとしての風除室です。
そして一歩中に入れば、仕切りの少ないワンルーム的空間になっています。これも、暖房が全体に行き渡るようにとの配慮です。
ここで提案していることの第一義は、中廊下をなくすための手段としての玄関の独立ですが、それは期せずして北海道並の風除室としての役割にもなっています。

 

玄関に隣接する便利な納戸

独立した玄関に、続き間として納戸をつくれば、なかなか便利な空間となります。 土間続きでつくれば、アウトドア派の家族には最適な空間となるでしょう。
生活空間に置く物は極力少なくすることが、広々暮らすための基本です。そのためにも、玄関納戸を見直してみましょう。

 

勝手口にも応用ができる

勝手口を独立させる、これも便利な使い方ができます。
台所の出入り口はどうしても裏口的雰囲気になりがちですが、一端戸で仕切れば、台所の落ち着きも保つことができます。
また、独立した勝手口の温度はより外気に近くなりますから、北側などに配置すれば、野菜や保存食品の置場としても適ってきます。
玄関納戸の発想と同じく、勝手口と合わせて台所納戸をつくれれば、食生活を充実させたい家族や畑づくりを趣味とする人には最適です。
間取り次第では、玄関納戸と台所納戸を連続した空間として構成することもできます。
通り土間的な空間も楽しそうですね。
中廊下をなくす目的から、話は広がってしまいましたが、玄関そのもののあり方を見直すチャンスとして、是非、皆様もいろいろと考えてみてください。

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