間取りと設計
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間取りの自由性

間取りを考える1

間取りの自由性
 

これまでに、間取りは気候風土や伝統、生活習慣を考慮し、さらには家の建て方、工法からくる条件のもとにつくられるのが本来的であると述べてきました。それを表面的にとらえると、いかにも間取りをつくる自由性がなくなり硬直的な間取りしかできないのではと思われるかもしれません。今回は、そういった間取りの自由性を考えていきます。

 

選択の自由こそ人間に与えられた自由と言えます

自由とは何か?なかなか難しい問題です。やりたいことは何でもできる、望みは何でも叶う、そんな絶対的力は人間には与えられていません。
いわば不自由な存在が人間です。そうであれば、自由とは何か?
やりたいことに挑戦できる自由、望みの実現へ行動できる自由といった選択の自由が、人間に与えられたのではないでしょうか。
選択した中で行動し、夢を実現できるかどうかは、その人の努力や運次第、それが自由。
であれば、最初の選択とか目標が極めて重要になります。
高い目標を設定すれば、バーが高く乗り越えることにも努力が必要です。自由自在にはいきません。
バーをとりはらった低い目標であれば、実現も簡単、自由自在です。
自由とは、高い目標にも低い目標にも、どちらにでも自分の意志で向かえる、選択できるということであり、実現が楽とか簡単であるということではないと思います。
間取りの自由性も同様だと思います。
間取りを考える際に、最初に見つめなければいけないことがあります。それは、家づくりに何を求めるか、どんな目的で家をつくるのか、ということです。それがなければ間取りのつくりようはありません。自由性は、その間取りへの希望が叶えられるかどうかの問題です。

 

家づくりの目的は?何のためにつくるのか

あなたは何のために、どうして家づくりを考えているのでしょうか?
人さまざまだと思います。
家族のため、とくに子どものため、両親と同居のため、古くなった、不便、きれいにしたい・・・と多くの理由や目的があります。
現実はさらに込み入ってきます。例えば、子どものためといっても、受験期だから個室を与えたいとか、アレルギー体質なので健康な家にしたいとか、結婚して同居するとか・・・やはり様々です。
いずれにしても何らかの理由があり、家づくりがスタートします。
そして、程度の差はあれ研究が始まります。
大手メーカーがいい、いや地元工務店、設計事務所も・・・と依頼先の選定から、
木の家、コンクリート、鉄骨、ツーバイフォー・・・といった工法
和風、洋風・・・雰囲気やデザイン
最近では、高気密高断熱、耐震工法、スマートハウス、健康、自然素材、外張り断熱、パッシブソーラー、太陽発電、計画換気、自然換気、無垢材、エンジニアリングウッド・・・と際限もありません。
あまりにも多種多様ですから、無目的では選択すらままなりません。
すなわち、目的をはっきりと定めなければ、現代の家づくりは、惑ってしまう、そして入居してから後悔してしまう危険性は大きいのです。
住まい手の明確な目的意識や生活の仕方、それに基づいて間取りはつくられます。
間取りの自由性を問う前に、あなた自身の家づくりの方向性を明解に整理しておく必要があります。

 

目的に適った間取りができるのか、それが自由性

あなたの目的が明解であれば、今度はそれにそった間取りができるかどうか、それがあなたにとっての間取りの自由性だと思います。
次に、相手の選択です。
あなたの志向性と同じような方向に向いているメーカー、工務店、設計事務所などでなければ、あなたの希望の間取りの実現はなかなかできないものです。
また志向性は同じでも、技術やコスト、相性など他にも様々な要素があります。
事前に、あなたの相手となるべき先の家づくりに取り組む姿勢や考え方、技術水準、建てられた実際の家、人間性、相性など、十分に考察できるチャンスや時間が必要です。

 

あなたの目的が健康にあるのであれば、PACの家づくりとその間取りの自由性は高い

PACの家づくりの目的は、健=人+建で、これまでも示してきたように長期に亘り、住む人と建物の健康を建築的手法で実現することにあります。
機械設備に頼ることは最後の最後、間取りや工法、材料など家をつくることそのもの・建築的手法にこだわります。
その具体性が、国産無垢材による骨太の構造材・床板・壁板・天井板そして安全な塗り壁・接着剤・クロス・ペイントなどの材料、昔ながらの木構造を踏襲する架構、広がり空間、PACというパッシブソーラーシステム、室内自然換気など建築的手法の組み合わせでの実現です。
PACで家を建てられる方との出会いは、こうした家づくりへの思いをともにすることから始まります。
共通のテーマをいかに自分たち家族の独自のテーマへ進化させるか、その実現への大きな鍵をにぎるのが間取りです。
自分たち家族に適した間取りがつくれた時、間取りに自由性があったと言えるのでしょう。
いろいろな調査でも戦後建てられた家の不満のトップは、間取りが悪く住みにくいことが挙げられています。
まさしく戦後のLDK間取りの自由性のなさを示しているのではないでしょうか。
その不自由性からの脱出の提案が、PACの広がり空間です。

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