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男と女そして柴犬たちと甲斐犬の暮らし

柴と甲斐、子ども達3人の臭いはこもらない?

原稿作成日:2004.1

柴の子ども達2人は前のマンションにも住んでいた。その前には、ポメラニアン、パピヨン、アメリカンショートヘアの子ども達4人との生活があった。
 臭いも不思議なものですぐに慣れてしまう、ともに暮らしていると感じなくなってしまうが、それでも外出から帰ってドアを開けた瞬間、子ども達の臭いを強く感じる。当然、来客には相当なものだった。なんせ、子どもの人数が多い。
 尾山台では3人となったが、大きさが違う。先代の子ども達はせいぜい4s前後。今は、8s、10s、17s。もともと外飼いの日本犬。

 設計段階では子ども達の臭い対策をさんざん考えた。子ども達の留守番場所である玄関の天井に脱臭機能もある熱交換型換気扇をつけるかどうか悩みに悩んだ。なんと言っても機械頼りは最後の最後がこの家のコンセプト、室内換気だって機械は使っていないのに。

 でも、この臭いはどうする?仮住まいでは、マイナスイオン空気清浄機を24時間つけっぱなしにした。それで何とかしのげたが、つけ忘れるとやはりこもっていた。空気清浄機を玄関に置く方法もあるが、なんと言っても邪魔であるし、コンセントからの電源が怖い、コードを子ども達がよくかじる。犬の感電死はそう珍しいものではないと聞いていただけにその手はとれない。やはり天井扇か・・とクルクルと考えはめぐる。
 最後の最後に機械に頼ることは中止した。

 結果は素晴らしい。臭いを意識しないのである。我々は当然として、頻繁に訪れる人たちが感じないのである。「犬の臭いはどうですか?」と質問を向けてみて初めて「そういえば臭いませんね。不思議ですね」と異口同音の答えである。

 尾山台の家では空気清浄機を2台使っている。それも手のひらに乗る程小型でスマートなものである。1台は2階リビングの家具階段の途中、ここは子ども達が上れない。もう一台は、子ども達がケージで留守番の時は階段途中から玄関に向けて、開放される夜の時間は洗面室にと置き換えている。
 この空気清浄機が優れものと思えるが、実はそればかりではなかった。
 特に1階の空気清浄機をよくつけ忘れる。あるいは洗面室に置いたまま玄関スペースにもってこない。そう言えば今日も洗面室に置いたまま出かけてきた、子ども達の居る玄関にはない。
 そして帰る、玄関を開ける。子ども達の臭いは意識しないまま家の中。来客時も同様のことがよくある。窓は閉じてある。室内の換気扇はない。子ども達の臭いもない。

 その答えは、もうお分かりであろう。建物や建具に使われた材料のおかげである。材料に脱臭消臭機能があり、それが想像以上にきちっとはたらいてくれた。
 尾山台の家の内装は、漆喰、タイル、桧やサワラそしてタモなどの無垢の板である。建具や家具もタモやウォールナットの無垢材。それらの仕上げも亜麻仁油系の自然オイルと木の呼吸を妨げていない。タイルも磁器系と土系で土系は呼吸をしている。室内ブラインドは紙系、寝室のカーテンは布である。これらの材料で呼吸しないものは磁器系タイルのみ。

 こうして見ると尾山台の家では、天井・壁・床、ドアや引戸などの建具、ブラインドやカーテンが湿気だけではなく色々な臭いを調整している。
 特に大きな役割を果たしているのが漆喰である。まず面積的に大きい。全ての天井が漆喰で塗り込められ、壁もほとんどが漆喰である。しかも1階はきずりと言って昔ながらの木の下地に塗られているため2p程度の厚塗りである。
 漆喰はご承知のように、吸放湿性に優れているがそればかりではなく防カビ性や抗菌性を昔から知られている。 不燃建材であり、今日的話題ではCO2吸収、ホルムアルデヒド吸着分解などもうたわれ、その多機能な性能が見直しはじめられている。
 今回の話題はその中の消臭性。当然、設計時に自然素材のもつ湿気や臭いなどの吸着・脱着機能を期待していたが、臭いに関してはそれ以上の効果を発揮している。
 我家の子ども達3人の室内での暴れようは半端ではないし、散歩以外はずっと在宅である。それでいて臭いを意識しない感じないのであるから驚きと言える。
 吸着機能は面積にもよる。広い面積が空気に触れていることが重要なポイントのひとつ。我家の玄関は6畳あまり。天井と壁の上部は漆喰塗り。玄関収納の扉は天井までのタモ無垢材、内部の天井・壁も漆喰塗り。階段スペースとは空間的につながり分断はされていない。そのまま2階の空間につながる。そこは同様に漆喰の天井と壁であり、床は栗無垢材、ロフト下の天井はサワラ無垢材、キッチンの床は土系タイル、ロフトは本畳と呼吸する材料のオンパレードである。
 しかも、壁の中や床下・小屋空間には一年中空気の流れがあるPAC住宅。その見えない所の空気の流れも、これらの機能を裏側から助けている。
 昨年の6月末入居以来夏を過ごし冬を生活しているが、これまでのマンショや仮住まいとは違い子ども達の臭いに悩まされることはなくなった。
 尾山台の家は室内で動物と暮らしたい人にとっての朗報でもある。今回は臭いにふれたが、犬の子どもがいれば床や壁そして家具などの傷は避けて通れない。そんな問題も取り上げてみたいと思っている。 


2階の無垢ウォールナットの家具たち