外張り断熱で躯体内空間の空気の流れを確保

自然素材の断熱ボードをPAC住宅で使うには

PAC住宅で使用される素材のほとんどが自然素材です。 構造材や下地材そして造作材は無垢の木、天井や壁には、無垢の板や本物の漆喰が多く使われます。 さらにオーダーのキッチンや家具も無垢の木材が多いのです。

そうした中で自然素材から大きくかけ離れていたのが、外張り用の断熱ボードでした。 これを何とか自然素材にしたいということがここ30年来の夢でしたが、それがほぼかなう時代になってきたのかと思っています。
ここではその具体的可能性を追求してみましょう。 PAC住宅の性能を発揮するためには、外張り断熱が前提となりますから、ここでは外張り断熱ができる自然素材断熱ボードを使用します。


断熱性能を重ね張りで補う

PAC住宅で使用されている硬質発泡ウレタンボードは断熱性能の高いものです。 これを自然素材の断熱ボードでカバーしようとすれば二枚重ねて張るなどの工夫が必要そうです。
こうした場合でも、PAC住宅の通気構造であれば十分に可能で、重ね張りしたあとでも断熱ボードの両面に流れる空気はふれますので自然断熱ボードの吸放湿性能はきちっと発揮されることになります。
具体的には、屋根であれば屋根垂木の上に外張りし、屋根垂木の間に挟みこむようにさらにボートを張ることで垂木の隙間また垂木自身が熱橋となることを防止できます。 壁も同様で、柱の外側に外張り断熱し、柱と間柱の間にさらに挟みこみます。


施工中の雨対策も大丈夫

雨に対しては、二つの考え方があると思います。一つは濡れてもよしとする。 万が一、雨がかなり浸みこんだとしても、PAC住宅であれば屋根と外壁の下地ができれば雨に濡れなくなり、 さらには自然断熱ボードの両面に空気が常時流れますから、短時間で水分は抜けてしまいます。 もうひとつは、自然断熱ボードの上に、防水かつ透湿性のあるシートを張り、雨から守るとともに、 できればそのシートを反射型すなわち輻射カット型にすれば、通気層の集熱性能と夏の輻射熱カットの性能が向上し、調湿性能も損なわれずに一石二鳥となります。


自然素材の断熱ボードでの隙間や貫通部分の処理

屋根と壁の断熱ボードの突合せ部分や断熱ボード同志のつき合わせ部分、そして配線や配管工事による貫通部分は丁寧な施工が要求されますし、 さらにプラスして隙間を埋める処理が必要となります。 従来であれば、コーキングや現場発泡ウレタンあるいは隙間部分を断熱ボードで裏打ちするなどの手法がとられてきました。

同様に自然断熱ボードでも裏打ちはできますし、コーキングの代わりに自然素材によるボンドなどで代用ができるかも知れません。 いずれにしても、自然素材の特性に合わせた丁寧な施工が求められますが、不可能なことではありません。

PACシステム部材の取り付けもできる

集熱通気層の断熱ボードには、PAC専用部材である断熱型エアダンパーやる断熱型ルーフダンパーそして断熱型空気取入口がつきます。 この施工も手間は若干かかりそうですが、基本的には問題なく取り付けられます。


基礎コンクリートの外張り断熱は避ける

現在は、基礎の外張り断熱ボードはホウ酸塩で防蟻処理した環境にも人にも安全なタイプを使用しています。
自然素材の断熱ボードもホウ酸塩で防蟻処理したものもありますが、土中の水分から避けた方が無難だと思われます。 自然素材の断熱ボードを使用するならば基礎の内側すなわち床下空間側に施工する方がベターでしょう。

以上のようにPAC住宅においては、自然断熱ボードの特性を十分に発揮しながら外張り断熱としての適用が可能のようです。コストの問題はありますが使用は可能と言えます。

PAC住宅の工法的特性は、自然素材断熱ボードの使用を十分に可能としています。 あとは、それに適した自然素材断熱ボードが開発されていくかという事になります。


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