会社の歩み
2010

2014

ホリスティックな家づくり

今の建物は、対処療法的に、つぎはぎだらけの技術で積み上げられてきた、行き当たりばったりの家になっています。
日本文化のすべてに亘って大きな支配力をふるっている「対処」という方法論です。西洋医学は対処療法、東洋医学は根本療法、これは良く比較される例です。
悪い場所だけに対処する方法と、悪くなった原因までさかのぼって治していこうとする方法と言えます。

ホリスティック療法は根本療法に心や魂まで含めた、より一層トータルな療法です。
現在の住宅は、まさしく対処療法の積上げで出来上がってきた家。その時々の問題対処の積上げでしかなく、つぎはぎだらけの家と言って過言ではありません。
簡単に、住宅の対処療法的歴史を見てみましょう。
私が住宅に携わった1977年ころからの実感をともなう流れを振り返ってみます。
スタートは外圧による住宅の省エネルギー化です。日本の住宅は、暖房エネルギーの垂れ流しだとの外圧から、グラスウールを壁の中などにとりあえず詰め込み始めました。まさしく他の事は何も考えない対処療法の見本です。
グラスウールにより壁の中などの空気の流れを止めたため、北海道では床下にナミダタケという木材腐朽菌が大繁殖しました。
新聞紙上でも、半端な断熱化により発生した問題が多く取り上げられていました。
いくつかを挙げますと、
見えない結露・内部結露など湿気の問題。
湿気によるダニ・カビのハウスダストによるアトピー性皮膚炎の蔓延。
その対処療法として、ダニ・カビ・腐朽菌対策の家庭内農薬を畳や建材、床下などへ使用。
そのケミカル成分による化学物質過敏症が大問題に。
また建物の腐れ対策として、防蟻もかねて強力な薬剤の使用。
床下の農薬などと批判される。

さらに高気密高断熱が進むにつれて、湿気を壁の中に入れないように、室内の壁・天井・床面をプラスチックフィルムで覆うなど、湿気を却って壁の中に閉じ込めてしまう危険性もある、わけのわからない対処方法が今でもとられています。また建物の断熱化は、夏の住まいを暑くし、クーラーを必需品としてしまいました。

化学物質過敏症は、建材に使用されているホルムアルデヒドが原因と、その含有量を少なくした☆☆☆☆(フォースター)建材と室内機械換気の義務づけ。
その☆☆☆☆(フォースター)建材と室内機械換気の住宅で、頻繁におこるシックハウス問題。

さらに地震対策は、一層問題を複雑怪奇にしてしまいました。
日本の木の家である在来軸組工法も、昔の伝統工法とは全く違うもの。建築金物で補強する、構造用合板で強度を出す、床面にも構造用合板を使い、軸組工法なのかツーバイ工法なのか、わけのわからない有様。いずれにしても湿気に対する対策は、本質的には考えられてはいません。目先の強度アップだけにしか目がいってなく、伝統工法には当り前だった100年単位の強さなどは望むべくもありません。

間取りを見ても、個室中心の何LDKプランになり、中廊下で部屋は分断され、風通しも悪く、日射も届かず、昼間でも北側の部屋は暗く、湿気も抜けにくくなりました。
これらの問題が複雑に絡み合い、日本の住宅は、つぎはぎだらけの建物になってしまいました。
こうした問題を本質的にとらえ、「流れる空気にふれさせる」という日本の気候風土に適った伝統的キーワードを軸にして、在来軸組工法に一本のきちっとした筋を通し、ホリスティックな家づくりをしているのがPAC住宅です。

 

「流れる空気の住まい」はホリスティックな家

ホリスティックとは、「総合的で統合的そして全人的なトータルの様子」を示す言葉です。
一般的には、ホリスティック医療とかホリスティックケア、またホリスティック健康学とかホリスティック栄養学などと使われています。

その概念を一言で説明するのは難しいのですが、わかり安い例でいえば、人間は「心と身体と魂」があります。もう少し広げていえば、「個人と家族と社会」とか、この3つをすべて含む概念がホリスティックです。大きな意味で全体的なといった感じでしょうか。

もともとは、ギリシャ語のholosホロス(全体)を語源として、そこから派生した言葉に、 全体(whole)、癒す(heal)、神聖(holy)、健康(health)などがあります。健康(health)という言葉自体がもともと『全体』に根ざしています。また「全体」「関連」「つながり」「バランス」といった意味を包含しています。

私たちのめざす健康住宅は、まさしくこのトータルな概念を包含したものです。
そしてそれを貫くキーワードが「流れる空気」なのです。私たち日本人は「空気」にいろいろな意味をふくませています。最近のKY(空気の読めない)もそうですね。物理的な空気だけでなく、雰囲気という精神がつくりだす状態を場の空気とあらわし、空気を読むなどと表現しています。澄んだ空気とか淀んだ空気も、実際の空気と人間関係の雰囲気を表わしています。

流れる空気の住まい・PAC住宅における空気も同様に複合的な意味を持っています。物理的な意味では、流れる空気が木材を腐れから守る、太陽熱を集める、夜間の外の涼しさを取入れる、建物全体に暖かい熱を運ぶ、建物から暑い熱を外に捨てる、湿気や湿度のバランスをとる、夜間と昼間の温湿度バランスをとる、風通しがいい、室内の自然な換気がある、など。

それと同時に、流れる空気は、心の風通しの良さなど、家族の自然なふれあい、見える・聞こえる・感じる様など、家族がわかりあえる雰囲気を示しています。

流れる空気の住まいは、そうした家の建て方、間取り、自然素材の使い方、住まい方などトータルな意味合いを含み、住まわれる個人、家族、そしてエコという意味で地域や地球にも優しい家づくりを意味するまさしくホリスティックな住まい、ホリスティックな家づくりを表わしています。

 

病気でないが健康ではない ホリスティックな健康は最高の健康を目的とする。
住まいも同じ、最高の健康住宅をめざしたい

最近では、ホリスティック健康学とかホリスティック栄養学という言葉を良く聞くようになってきました。ひと言で説明することはなかなか難しいのですが、健康レベルを最高度に高めるための手法と言えます。

単なる食事学でも栄養学でもないし運動理論だけでもない、伝統を踏まえ最新の科学を取りいれた総合的で統合的、人の心理、人間関係あるいはスピリチュアルな要素まで含んでいる、まさしくホリスティックとしか表現のしようがないかもしれません。

住宅においても、☆☆☆☆(フォースター)建材を使い24時間機械換気をしているということで、健康住宅と言ってはばからない、お粗末な健康住宅が蔓延している今こそ、もっと本質的で健康な住まい、それこそホリスティックな家づくりとは何なのかを提案していきたいと強く思います。

病気でなければ健康、そんな単純な区分けはできません。はっきりとした病気でなくても、何となく体調が悪い、すっきりしない、おかしいということは日常的です。
心身ともに晴れわたるような爽やかな健康を得ている人は、この長寿の日本においても極めてまれと言えるでしょう。それをめざすのがホリスティックな健康学と言えます。

残念ながら、住宅の場合はさらにレベルは低いと思います。
☆☆☆☆
(フォースター)建材で24時間機械換気の住まいに住みながら、化学物質過敏症などになってしまう人は後を絶ちません。健康住宅と呼称しながらも中身はシックハウスという怖い話です。

PAC住宅は1982年に健康住宅宣言。内容はかなり複合的です。健康の健の字を分解し、人と建物に分け、それを「健=人+建」と表現しました。
住む人の健康と建物の健康を同時に実現する家。人の健康は、「こころの健康」と「身体の健康」、その両方を実現してのもの。建物も、腐らないという意味の「耐久性」と、何十年という長期間にわたって使い心地のいい空間を提供できるという意味での「耐用性」の二つの健康性を掲げました。

この四つの健康性を、家の建て方すなわち材料と工法そして間取り、さらに住まい方を加えて実現していく提案をしてきました。
当時からPAC住宅は、総合的で統合的そして複合的な家づくりの手法であることをアピールしてきました。最近の言葉でいえば、ホリスティックな家づくりという表現が最も近い、単純に言ってしまえば、自然素材を使っただけで健康な家にはならないし、間取りの工夫だけでもならない、工法だけでももちろんならないし、住まい方だけで実現しようとしても無理です。これらすべてをバランスよく合わせてこそ、最高水準の健康住宅ができる、それは環境にもいい。人に、建物に、環境にやさしい健康な家を、機械設備ではなく、建築的手法(材料・工法・間取り)と住まい方というパッシブな方法で自然エネルギーをも採りいれて実現していくホリスティックな家づくりです。

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