尾山台に住む

2003年夏を過ごして データを見る

今は2004年の2月である。寒い最中に暑い夏を思い起こしている。6月末に引越し一夏を過ごしたわけだが家の中の片づけに終始して温熱環境に思いをはせるゆとりは少なかった。幸い、尾山台の家は外気を含めて14ヶ所で温度と湿度を記録している。それを見ながら記憶を掘り起こしてみよう。

初めての夏、どんな住まい方をしようか考えた。
PACを夏型に衣替えするのは当然として、まず一夏共通しておこなったことは開口部の日射遮蔽、これは徹底した。電動式のブラインドシャッターをフルに使い風は通したが、日差しはカットした。
8月初めのピーク時は通風のみで過ごした。寝室にベットが2つ、頭の上に細巾のジャロジー窓がある。寝室は空間的に隣接する収納室そして書斎コーナーを介して洗面トイレ、浴室とひとつながりになっている。それぞれに同じジャロジー窓がある。就寝時はそれらを開放した。

我家は昼間、柴と甲斐の子ども達だけになる、大雑把に言えば12時間は基本的に閉じきり状態といえる。ただし、細巾のジャロジー窓は開放して出かけられるので、これをいかに活用するか。エアコンは2階リビング上のロフトと寝室収納室の奥に設置した。
8月中旬まではエアコンを使用せず風通しのみですごし、その後は必要に応じてエアコンのドライ機能を使うとした。

百葉箱にセットした温湿度計をみると2003年夏の暑さのピークは、8月4日前後と8月24日前後そして9月10日から15日にある。あとはさほど気温は高くはなく、8月14日から20日は20℃前後と寒いくらいの日が続き湿度も終日99%が記録されている。

PACはパッシブソーラーハウス、夏の性能の基本は、夜間の外冷気を蓄熱して昼間に持っていくこと。温度特性的にみると、室温は外気の最低気温よりは高く、最高気温よりは低くなり1日の温度格差が少なくなる。

そうした眼でデータをみると、まさしくピタリと当てはまっている。
暑かった8月3日から5日の3日間の外気温の日格差(1日の最高気温と最低気温の差)は平均10.2℃であるが1階寝室はその三分の一以下、2階リビングやロフトばかりでなく小屋空間までも二分の一以下に抑えられている。
各最低気温が少し上がり、最高気温をかなり抑えていることも読みとれる。小屋空間までが外気の最高温度を超えていない。

尾山台に住む

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この間、エアコンはいっさい使用していない。

湿度も同様の傾向にあり、日格差は外気と比べて大幅に少なく、最低湿度が少し上がり最高湿度が大きく下がっている。

尾山台に住む

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この間、エアコンはいっさい使用していない。

8月14日から17日の4日間は真夏とは思えぬ程寒く、外気は18.3℃~21.9℃、湿度は終日99%を記録した。
1階寝室は21.7℃~25.5℃、68%~86%、2階リビングは21.9℃~26.7℃、60%~75%である。エアコンは使用していない。
ロフトは23.4~25.1℃、63~73%、小屋空間は23.3~26.6℃、63~72%である。
ここでも面白い傾向が出ている。外気温が異常に低くなると室温は高めに保たれる特性である。湿度も外気と比べて安定的に低く推移している。

8月23日から8月25日は暑く、夜間はエアコンのドライ機能を使った。
この間、会社からの帰りは遅く、夕食はいつも10時すぎ。夜間も蒸し暑く、窓を閉じてロフトのエアコンをドライ回路にして、食事の支度をし、子ども達と遊びながら12時過ぎまで食事を楽しんだ。その後、ロフトのエアコンは消し、寝室奥収納室のエアコンをドライにし就寝した。データの傾向は8月3日から5 日とまったく一緒である。

尾山台に住む

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この間はおおむね2Fリビングでは22時から1時ごろまで、1F寝室では22時から6時頃までエアコンはドライ回路にしている。

9月10日から15日の6日間は暑く、過ごし方は8月23日から25日と同じである。11日には尾山台での最高気温35.8℃を記録している。
この6日間のデータから読みとる傾向は同じである。

尾山台の家

尾山台に住む


尾山台に住む

この間はおおむね、2Fリビングでは22時から1時ごろまで、1F寝室では22時から6時頃までエアコンはドライ回路にしている。

これらのデータは、夜間の外冷気を蓄熱し昼間の暑さと相殺するパッシブソーラーの特性と、空気の流れと吸放湿材料の組み合わせで、外気が多湿な時でも建物内の湿度を低く抑える効果が十分に発揮されていることを物語っている。
尚、井戸水で土間コンクリートを冷やす夏のかくれん房利用の効果はまったく見られなかった。井戸水の温度が低くなかったためと思われる。今年の夏もう少しチェックする予定である。
次の項では、データから離れて実際の住まい方からの感想を述べてみたい。

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