尾山台に住む

暖かさの質 その4

尾山台の家に住んでほぼ7ケ月、その間、不思議なことに湿気を意識することはなかった。前にも述べたが、入居後しばらくしてから継続的に温度・湿度を自動計測していて毎日湿度も目にしているのだが、身体では湿気を意識することはない。今日は湿っぽいな、妙にのどが渇くなとかの感じがないのである。
冬の室内湿度の目安は、通常40%から60%の範囲がいいと言われる。これに当てはめて尾山台の家をみると、冬モードに衣替えしてからは60%を越えることはほとんどないが、外気湿度が10%台も時にある1月に入ると室内湿度が30%を切ることはある。ざっくりと言ってしまえば、寒くなってからは35%から55%の範囲で推移している。データ的にはやや乾燥気味ともみられるが、実際の生活でそう感じることはない。

ご承知のように、%で表示する相対湿度は温度によって大きく変化する。湿り空気線図から大雑把に読みとると、17℃・55%の空間は20℃になると45%程度、23℃では37%程になる。室温が高くなれば相対湿度は低くなる。
尾山台の空間は、全体がほぼ20℃から23℃で推移している。相対湿度は大雑把に35%から55%程度。寒く乾燥した日々が続いていることを考えれば、湿気をうまく保持していると言えるだろう。

生活形態も湿度に大きく関係してくるので、尾山台の生活をざっとスケッチしてみる。
家族数は、ご承知の様に男女2人と子ども達である柴犬2人・甲斐犬1人と比較的少人数。子ども達は24時間滞在しているが、人間は昼間の12時間は家にはいない。その結果、太陽光の入る東と南の窓にはシャッターは降りっぱなしで開口部からの日射取得は期待できない。もったいない!
休日は週1回。室内換気として建物の一番高い部分である屋根の棟に取り付けた換気口は常時開けてある。新しい室内換気の試みであるが、いずれより詳細にふれたいと思っている。
電気炊飯器や電気ポットなど湿気を供給してくれる器具は使用していない。土鍋とやかんで、調理時と同じく台所換気扇を回すので湿気は外へ排出される。食洗機とドラム式洗濯機は若干の湿気を室内に出していると思われる。生花も切らさないが湿気はたいしたことはないはずだ。
風呂は正月を機に毎日入る。ちなみにそれまではシャワーが多かった。1月に入ってからは浴槽の蓋と浴室の扉は開け放し湿気を室内に供給させている。浴室の換気扇は30分も回していないし、窓も閉じたままである。
地下室に昔ながらの手堀の井戸があるが、井戸からの湿気は上がっていない。最近は蓋をずらして湿気を呼び込むようにしているが、何故か、湿気は上がってこない様子で相対湿度は2、3%程度しか上昇しない。窓面などを含め、結露は見られない。
と言った感じである。

尾山台の家の特質は、湿気を調整する材料が大量に使用されている所にもある。湿気の調節作用のない材料は磁器タイル位で、壁・床・天井から構造材などの木材、下地材そして家具からブラインド、カーテンにいたるまで調湿機能を多く発揮できる材料である。地下室からロフトまで、そうした材料が豊富に使用されている。無垢の木材、漆喰、土系タイル、布地、畳などである。
こうした材料が湿気を意識させない生活を可能にしているのだと思う。風呂上がりは蓋をしないため浴槽から相当の湿気があがり洗面室の相対湿度は瞬間60%をこえるが、すぐに落ち着き50%を切る。浴室から寝室は近く引戸は開け放して暮らしているので水蒸気はすぐに寝室にも到達しているが、寝室の湿度も35%から55%程度と安定している。
体感としては湿度計が60%を示している時もじめついている感じはなく30%でもカラカラという感じはない。
これは壁・床・天井などの材料が湿気を調整するおかげなのかと思っている。これが昔のような合板フローリングにビニールクロスといった調湿機能のない材料であれば、のどはヒリヒリ、時にはジトジト、窓には結露といった激しい動きをするのだろう。
最近の住宅において、この湿気の問題は特に難しい。結露で悩まされる家から乾燥しすぎで常時加湿器を何台も回している家と、悩みも両極端になっている。
原因はそれぞれに考えられるが共通してることは、昔の家と違って調湿機能のある材料が少なすぎると言える。
暖かい家は、決して温度だけの問題ではない。質の高い暖かさや快適さを求めるとしたら特に湿気の問題は避けて通ることはできない。家中どこにいても寒さも感じない、人工的熱さも感じない、ジメジメ感もカラカラ感もない、そんな温度や湿気を身体が意識しない家がベストなのだと思う。そうした意味で尾山台の家への満足感は相当に高い。感謝。
最後にかくれん房についてふれたい。尾山台のかくれん房はガスのボイラーを使用している。燃焼の調節は目盛り1から6までの段階でできる。1が一番燃焼時間が短い。数字が大きくなるにつれてボイラーに点火している時間が長くなる仕組みである。
今冬は早くから寒くなったため、我家では11月10日から使いはじめた。12月中旬までは目盛り1でスイッチのオンオフは機械にまかせた。年末から正月にかけて目盛り2とし、1月10日位から目盛り3で使用している。その結果、家中全体が20℃から23℃と一日中安定的に推移している。
但し、目盛り3にしたころから地下室の温度は他と比べて2℃程高くなった。これは地下室の構造がPAC的には独立しているためと、かくれん房の配管が地下室の桧の床板から6㎝程度しか離れていないコンクリート床に設置されているためと思える。
地下にそんな温度は不必要で地下室のかくれん房回路を切ればいいだけのことであるが、今年は冬を通しての様子を見たいため、あえて機械まかせとし全ての回路に温水を循環させて使っている。
目盛り1で使用している時期のガス料金がきた。調理や風呂で使用している分を除くと、おそらく1万円程度と思われる。この快適感からみると安い!が正直な感想である。目盛りをアップしたあとのガス料金が今から楽しみである。と書いていたら料金表がきた。約2万円と読める。まぁ、いいせんかな。地下の回路を止めるとか、昼間は目盛りを1にするとか工夫をしれば料金はかなり落ちる余地はあると思える。冬の暮らしは、またあらためて報告したい。

外付けブラインドタイプ。開閉だけでなく、羽の角度を変えることができ、途中でも止められる。夏の日射遮蔽や安全な風通しを計るのに活躍する。

スーパー越屋根換気が二つ設置されて
いる。左側を室内自然換気用の排気口
として使用、真冬でも半開しているが
室内は寒くはない。

右側は室内自然換気用スーパー越屋根換気のガラリ。左側は見かけは同じだが通気はしない、小屋裏点検口である

ドラム式洗濯機は洗面台の下に組み込まれている。

食洗機も組み込まれている。

電気釜や電気ポットはない。
左の土鍋で米を炊き、
湯はやかんで沸かし手前のポットで保温する。

浴槽のお湯(水?)で室内に湿気を補給している。それでも窓に結露はしない。




壁、天井とも漆喰仕上げ。

2階リビングのブラインドは、布製。

寝室は天井から床までのカーテン

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