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暮らしと緑がつながると

身近な自然に親しんだり、時には家族団らんの場ともなる庭空間。ご近所とのコミュニケーションのきっかけとなる庭先の緑。住まい手にとって必要な役割を持つ庭や緑の存在。造園の設計、施工、管理を行う株式会社 グリーンワイズ(本社 東京都世田谷区)。設計部の井澤 佐恵子さん、管理を担当されている小亀 潤さんにお話を伺いました。

グリーンワイズにより設計、施工、管理されているスペース(東京都世田谷区)。バリエーションある樹種は通る人の目を楽しませてくれている。

個人庭園の設計、施工、管理だけでなく、緑化に関する幅広い分野で事業を展開。写真はグリーンワイズによる設計、施工、管理をされているマンション中庭(東京都世田谷区)。

高木、中低木をバランス良く配し、ひとつの「景」をつくっている。

エントランス部分にはつる性の植物(ノウゼンカヅラ)を。飾り格子とも調和している。

 

快適さを生む仕掛け人としての緑

敷地の中に家をどう配置するかは、法律、周辺との関係、採光等、様ざまな条件を考慮し決定される。家を除いたスペースも日々の暮らしを心地良く、心豊かにするものでありたい。庭や緑をうまく採り入れて行けたなら、生活をとても快適にすることができるだろうとの思いが頭に浮かんだ。夏の照り返すようなコンクリートの舗装を朦朧と歩いていて、木陰がほっとした安らぎを与えてくれた記憶が今年は強く印象に残っている。
「具体的には夏は日陰をつくり、冬は光を採り入れるために落葉樹を植えるといったことですが、他に代表的なものとして生垣があります。植物はコンクリートなどとは熱の吸収が異なるので、夏の暑さ対策にはとても有効です。生垣は高さを自由に変えることもできます。また、混んで仕立てる、透かして仕立てるなど葉の茂らせ具合によって、隠し方を調節できる融通性も塀などにない点ではないでしょうか。」無機質なものにない見た目の柔らかさ、爽やかさは言うまでもない。
都市部など十分なスペースがとれない場所でも、植物の種類、つくり方の選択によって緑を取り込むことが可能になる。「例えば生垣の代わりに境界フェンスにつる性の植物を這わせることも考えられます。つる性の植物は生垣よりも土のスペースが少なくて済み、花も楽しめます。その場合植物の這い方などによって、適した形状のフェンスを選びます。取り入れたいなと思う植物があったら、プランの段階で相談してみると良いですね。」

外とのつながり

ご近所、街、そして鳥や虫、自然とのつながり。庭を介して生まれる様々な「つながり」。周囲とのつながりからデザインできたらと井澤さんは語る。「家のエントランス部分は特に、周りと調和するものであれば良いなと私は思います。そして四季を味わえる庭にできればとも思います。春には芽吹きを、夏には勢いある緑を。落葉のあとは枝ぶりの美しさを味わう、そんな庭が出来たらいいですね。」四季があるからこそ見せてくれる木々や草花の神秘的ともいえる変化、それらを身近に感じられる幸せが、自分の庭から周囲へと広がって行ったら素敵なことだろう。

植物との付き合い方

  「植物を扱う限り、植えておしまいという訳には行きません。程度の差こそあれ、メンテナンスは必要です。ですが過保護になり過ぎないことも、メンテナンスにとって大切だと仕事をしていて感じます。」管理を担当されている小亀さんは話す。メンテナンスは気負わず、手を抜かずといったところだろうか。しかし手間をかける時間がなかなかとれない事もある。
  「刈り込んできちんと整形して仕立てると、その後の剪定もまめに行う必要がありますが、自然な樹形を生かした形にしておけば、神経質にならなくても大丈夫などと、仕立て方でも手間は変わってきます。樹種の選定でも手間は変わってきますが、これは立地条件などにもよるので、一概には言えないんですね。」人と緑、両方の「生き物」の声を聞きながら、設計や管理をされている井澤さん、小亀さん。家と住まい手と一緒に育みつづける庭を願って止まない。


○移植の場合は、時間に余裕を持って
「既存の樹木を移植する時は、移植の準備ができるようになるまでに時間がかかることがあります。移植に2年程かかりそうだった桜の大木を、家の建築スケジュールと予定が合わなかったために、止むを得ず伐採したこともありました。」(小亀さん)
→移植をお考えの時、特に大きな樹木の移動の計画は、早めに設計士の方に相談した方が良いでしょう。

○緑化助成金
「庭づくりも家づくり同様、時間も費用もかかります。お住まいの自治体に緑化助成金の制度があれば、その活用を検討してみるのも良いかもしれませんね。」 (井澤さん)
→「壁面緑化助成金制度」、「生垣緑化助成金制度」等の条例を定めている自治体があります。助成金の交付される条件、金額は各自治体で異なるので、検討される時は事前に調べると良いでしょう。

グリーンワイズ

左から井澤さん、小亀さん。井澤さんは「大きな桜を移植するプランを手がけた時は、翌春花が咲いてくれたのを見てほっとしました。」小亀さんは「植物の接し方を知る第一歩として、ひとつの植物を最初から育ててみては。」と話す。日頃から植物という相棒を大切に思うお二人。