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進化し続ける畳を世界に広める

健康、安心、環境にも優しくをテーマに、材料、仕様に徹底したこだわりを追求されてきた健康畳植田の植田 昇さん。無農薬、減農薬の畳も一般に広まりつつあるようですが、他とは違う、植田さんご自身の研究開発によって生まれたオリジナルの畳をご紹介します。

畳表、床等、植田さんご自身が見極めた材料を合わせて、こだわりの畳が生まれる。

スイスバウビオロギー協会ボスコ氏と。(写真提供:健康畳植田)

スイス ズーク シュタイナー学校の先生のお宅の畳替えも。
(写真提供:健康畳植田)

PAC住宅ではキッチン、食堂、リビング、茶の間、書斎コーナーなど、家族が共通で集える空間、家族空間を個室として設けるのではなく、連続した一体空間に構成する提案をしています。引戸で間仕切る畳の間は、リビング、ダイニングとも自然とつながります。写真は3枚の襖が引き込め、食の間、くつろぎの間と開放的につながる畳の間。(我孫子の家)

2方向を襖で間仕切りした畳の間。開いてくつろぎの間と一体に使ったり、閉じて客間として使用するなど、状況に応じて使い分けができる。(中野の家)



リビングとつながる3畳の畳コーナー。床面から35cm上げ、ちょっと腰掛けてくつろぐことも。カウンターを造り付けし、家族共用の書斎スペースに。(相模原の家)



リビング、ダイニング、キッチンのすぐそばにある2.5畳大の畳コーナー。パソコンコーナーに使うほか、家事のちょっとした作業にも便利なコーナーに。(越谷の家)

 

畳の嘆き

日本の住まいを構成する材料として昔から使われてきた畳。近年のライフスタイルの変化によって畳が使われる機会が少なくなってきたこと以外に、「ダニ、カビ、化学物質がこわい」という先入観が、畳を遠ざけてしまっていることはないだろうか。
ダニやカビが発生するのは畳単体だけの問題ではないはず、家の気密化のしわ寄せが、藁やい草というデリケートな材料でつくられている畳に。そのしわ寄せを解消するために畳は防虫剤、殺虫剤などの薬漬け、そしてそれがまたシックハウスの原因に。工法、材料の選択等、トータルに解決しなければいけない問題を畳が背負されているようにも‥。

無農薬、減農薬実現のため自ら草取りも

植田さんには、この畳の嘆きが、痛いほど聞こえたのかもしれない。畳職人として、畳の製作、納品だけに留まらず、健康で安全な畳づくりに自ら乗り出す。
まず、畳表の原料となるい草はというと「今の畳の8〜9割は中国産。中国産のものは輸送の間に防カビ剤の燻蒸を受けます。残り1〜2割の国産のい草も、農薬が使われているものがほとんど。」と植田さんは語る。「い草を栽培するには、農薬を20〜30回使うのが普通なんです。草の芯に虫が入ってしまうと、草が倒れてしまい品物にならないんですよ。」そんな現状の中、植田さんの畳に使うい草は、熊本県八代で無農薬及び減農薬栽培をされている農家の方と直接契約し、さらにその農家の方々に「植田さん専属の畑」を設けてもらい、そこで採れたい草を使用。薬を使わない分、手間はかかってくるため、植田さんが草取りの手伝いに行くこともあるそう。
また、畳床と畳表の間に敷くシートはご自身で開発、畳床はベイクアウト(熱処理)する乾燥機をご自身の作業場に用意。あくまで自分自身で安全を確認したものを使うという姿勢。また輸送や保管の際に、化学物質が侵入しないようにと内装を全面アルミ加工した保管倉庫も準備するという徹底ぶり。「畳は湿気や空気中の物質などを吸いやすいから、まわりに置かれているものから化学物質が移らないように注意しています。」

再評価の動き

一時期は日本の住まいから遠ざかった感のある畳だったが、近頃の和の空間を求める志向から、畳が再評価される動きが国内そして海外でも起きているようだ。植田さんも畳のPRに外国へ招かれる機会が増えているそう。海外で注目されるのは、畳が単に自然素材というだけでなく、日本文化を感じさせてくれる素材ということもあるからだろう。
植田さんには、畳の喜ぶ声が少しずつ聞こえ始めているのではないだろうか。


植田さんの畳(あんしん稲わら畳)

植田さんは様々な種類のオリジナル畳を製作。その中で、PAC住宅に使わせていただいているのは、国産の藁を使用した畳床、あんしんシート(防水・防虫紙)、国産減農薬もしくは無農薬、無着色い草を使用した畳表でつくられた畳(あんしん稲わら畳)。食品レベルの安全性を求めた畳です。

健康畳 植田昇

亡きお父様の後を継ぐかたちで、畳職人の道を極めることを志す。職人としての日々の仕事のほかに、オリジナルの畳の開発、畳の新たな分野への開拓、職人のネットワークづくり等さまざまな活動に力を注いでいます。一緒に仕事をされている奥さまは「若い時から仕事をしているので歳のわりに経験は長いんですよ。また仕事の話をしだすと止まらなくて、聞いているこちらが寝不足になってしまうこともあるんです(笑)。」
植田さんのwebsiteにて、PAC住宅の畳施工例も紹介されています。
http://ansin-t.jp/p10.10.html