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プラス思考の健康住宅づくり

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「求められる」を求めている

「プラス思考の健康住宅づくり」1994年発行

 私たちPACグループの姿勢を示す表現として、「求められる」があります。現在の住宅業界の在り方は、やはり他の産業と同様に、自社の売り上げや利益の増大を何よりも求めてやまない、二十世紀後半の経済拡大主義に陥っています。
 そのためか、住宅の営業のしつこさは他の産業以上に定評があります。同時に、住宅会社の姿勢も、よりよい住宅を提供することではなく、いかに売りやすい住宅をつくるか等の目先のことばかりに終始しているのが現状と言っても過言ではない状態になっています。
 外観やインテリア、新しい設備機器での目新らしさを、しつこい営業方法で訴え、売りつける、そして契約してしまえばこっちのもの、入居後はもちろんほったらかし。こんな許し難いことが、大手や中小、零細の工務店にかかわらず、日常茶飯時に行われていても不思議でないのが、意外と事実なのです。
 もちろん、そんな風潮に嫌気がさして、本気で、真面目な家づくりを考え始めた会社やグループもありますが、極めて少数派と言っていいでしよう。
 そんなジレンマから逃れるために、私たちPACグループは売ること、いわゆる営業をやめようと考えました。ユーザーを求めて、しつこい営業を展開するのではなく、お客さまから、求めていただくためには、どうしたらいいのだろうかを真剣に考え続け、試行錯誤を繰り返してきました。
 その結果「求められる営業」の考え方が誕生しました。。「求められる営業」、文字どおりお客さま自身から、求めていただけるような家づくりの会社になろう、なりたい、という思いが強くこめられています。
 最初は、営業の姿勢を示す表現として使われていましたが、本当にお客さまから求めていただけるためには、営業ばかりの問題ではない、複合的総合的質の問題であると深く認識するにいたりました。
 住宅の質そのもの、間取りや工法、実質的にレベルの高い設備、美しさなどの技術的側面から、経営、営業、設計、施工にかかわる人の技術的能力や人格の面、会社やグループの姿勢などすべての質が、向上し高まらなければ、決してお客さまが安心して求めてくれはしない、という簡単な事実を真理として受けとめてきました。
 その実現をめざして、「求められる」は、家づくりに関わるすべての人、物、技術、システム等に広がり、全能力開発を怠らずに進めるグループへと発展しました。
 PAC工法や広がり空間の技術を中心として真剣に健康な家づくりを目指す会員制度となり、技術や制度を、いわゆる客寄せパンダとして考える不良会社とは決別をしました。
 その上で、理想とする健康な家づくりと現実の仕事を一致していくために、社長、営業、設計、施工、事務等、家づくりに関わるすべての人の教育や学習を徹底的に始めました。しかも、この教育や学習は終わることがない生涯つづく制度として定着しています。
 当然、技術的な面でも、同様に、自らを律する行動を課しています。すべての住宅は、設計段階の時点で、コンピューターシミュレーションにより温熱性能等のチェックがされ、建築中も会員会社と協会の二重チェック、竣工時に気密性能試験を実施、さらには、統一保証書や瑕疵保証の制度など、いかにお客さまに安心していただけるかに全力をあげています。
 この様に、自らを高め続けていく行動を実践しながら、同時に、お客さまに私たちの家づくりの思想、技術、姿勢、能力、人間性、会社などを見ていただくために、勉強の場としてPAC講演会やゼミナールを定期的に開催しています。この勉強会の場で、いわゆる営業行為は当然御法度になっています。あくまでも、お客さまに見ていただく場と位置づけています。
 次のステップも、より深く見ていただくことに専心しています。例えば、実際の現場や入居者のお宅、会社の能力や姿勢、人物など納得のいくまで見ていただきたいと願っているのです。
 そうして出会ったお客さまから、家づくりの相談などを「求められる」ことを、私たちは「求めている」のです。求められる内容に、これでいいという終点はありません。真剣に成長しつづける喜びが、そこにはあります。経済のみの高度成長ではなく、人間性の成長、心の成長が、そこには存在します。これまでの金銭中心社会での必要悪、本音と建て前のうそをつかなくていい喜びがあります。
 私たちのグループの、次にどうしても実現したいテーマに、「いつまでも、どこまでも」があります。
 完成入居後のお客さまとの、理想のおつきあいを示しました。建物は時間の経過とともに、さまざまな変化を余儀なくされます。いつまでもは何年でも何十年でも、どこまでもは建物に関わるすべてを示します。 そんな理想を、お客さまとともに完成できる日を夢みています。