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プラス思考の健康住宅づくり

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よしずとすだれに何を思う

「プラス思考の健康住宅づくり」1994年発行

 よしずやすだれと聞くと懐かしく思われる方も多いのではないでしょうか。確かに、現在ではあまり使われなくなりました。では、畳干しはいかがですか。もっと珍しくなってしまいました。ところで、よしずやずだれの役割を覚えていますか。何をわかりきったことをと、思われている方もいらっしゃるようですね。それは、当然、西陽等をさえぎる、しかも風は通して。

 夏の上手な工夫だと思いませんか。さきほど、夏、二つの風通しのテーマで、クーラーなしで涼しく暮らすポイントの一つに、建物の中に熱を入れて蓄熱させないこと、つぎに、蓄熱してしまった熱を、いちはやく、外へ放熱させればいいということを述べましたが、この二つの役割を、昔の人は、よしずやすだれでさりげなく行っていたのです。

 西陽をカットしながらも風は通す、夜も目隠しの役割を果たしながら、涼風をとりいれる。なかなか風流なものでした。
 このよしずやすだれを、もっと現代に復活したいものです。ブラインドが、さしずめ現代版のすだれでしょうか。でも、若干違うところがあります。ブラインドは窓の内側に設けますが、すだれは外側です。大差ないように感じられるかもしれませんか、かなりの差を生じます。日差しをカットすることは同じなのですか、西陽を受けて、ブラインドやすだれそのものが熱を帯びます。この熱が、室温や体感に影響します。外側にあるすだれは、窓から少し離れていますので室内側への影響は少ないのですが、ブラインドは室内にありますのでかなりの影響を与えるでしょう。

 しかも、ブラインドはアルミなど熱を伝えやすい材料で、構成されているのだからなおさらです。すだれは葦などの天然の材ですから、アルミと比べれば、ずっと熱を伝えにくいのです。
 細かいことを、くどくどと言ってきましたが、実は、窓の重要さと生活の仕方にふれたかったのです。
 よしずに相当する現代の新しい窓について、述べていきたいのですが、どんな開口部でも入居者の方が、こまめに操作しないと、その真価は発揮されないのです。
 たとえば、ブラインドでも、きちっと使わないとその効果は発揮されません。全体の開閉くらいは、どなたでもなさるでしょうが、ブラインドの羽の角度調整や裏表の使いわけをこまめにおこなうことで、その機能が生きてくるのです。
 羽に裏表があり機能が違うことを知らない方も多いのではないでしょうか。一度、確かめてみてください。

 窓には、通風や日射の調整、眺望、遮光、防音、防犯などさまざまな役割があります。健康に住まうためにも、窓の役割は極めて大きいのです。夏の通風や防暑もなかなか大変なのですが、特に冬は、より一層の工夫が必要です。
 昼は太陽熱をとりいれたいし。夜は逆に逃がしたくない。しかし、ガラス一枚の窓では自ずと限界があります。熱を逃がさないためにも、今後は、最低でも二重の窓が必要になります。 

 このようなことを考えて、新しい二重窓をご紹介したいと思います。
 コスト面から外側は普通のアルミサッシとします。そして、内側に断熱ふすま戸を設け、二重窓にします。ポイントはこの断熱ふすま戸が全開することです。
 これだけのことで、窓に求められるほとんどの機能をクリアーします。例えば冬、日射時には、この断熱ふすま戸を全開します。窓全体から太陽光が入ってきます。そして夜は、全閉します。断熱されているふすま戸ですから、室内の熱を逃がさず保温性は抜群です。断熱力がありますから、夏閉じることで、西陽のカットに威力を発揮します。広がり空間が前提ですから、風通しや明りは、他の方位の窓で十分確保できるのです。当然、遮光、防音にもおおいに役立ちます。

 しかし、ここにもひとつ課題があります。この断熱ふすま戸のこまめな開閉作業を、住んでいる方がしなければ、せっかくの機能も役にたたないのです。

 健康に住まうには、人の働きがかかせません。ここにも、健=人+建の精神がうかがわれます。
 ところで畳干しですが、最近この十年位の間に実行されたご家庭はどのくらいありますでしょうか。
 もう、ほとんどの家では、行われなくなった懐かしい日本の行事になってしまいましたね。昔は、どこの家でも当然のごとく行われていました。昔の家は、これまでに考察してきました様に、風通しのよい湿気に強い家でした。
 それでも、畳干しを定期的に実行していました。何か考えさせられますね、現代の家は、間取りも施工法もいつのまにか、湿気に弱くなっており、入居者も湿気に対する住まい方、暮らし方を忘れています。
 住宅に関わるすべての人々が、まるで、日本は湿気の多い国から、いつのまにか、湿気の少ない国に変身してしまったと錯覚をおこしているかのようです。