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プラス思考の健康住宅づくり

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健康な間取りの原則

「プラス思考の健康住宅づくり」1994年発行

 何LDKが不健康な間取りの代名詞であり、健康な間取りの代名詞は広がり空間ということはこれまでの話の中でご理解いただけたことと思います。ここでは、健康な間取りである広がり空間の大原則についてまとめてみましよう。

広がり空間の間取り七大原則 

  • 玄関の空間を仕切る。
  • 家族空間をひとつながりとして一体につくる。
  • 階段は家族空間の中に設ける。
  • 吹き抜けは家族空間の中に設ける。
  • 子供部屋は個室としてつくらない。
  • 老人室は家族空間の側につくる。
  • 引戸を多用する。


これまでにふれてきたことがほとんどですのでここでは簡単に説明していきたいと思います。  

玄関の空間を仕切る。

 家族のふれあいを分断している最初のものが、玄関、ホールそれに続く中廊下、中廊下に設けられた階段ですから、それらを、廃止して、玄関ホールを引戸で仕切り、その引き戸を開けると、直接、家族空間に入るようにします。  

家族空間をひとつながりとして一体につくる。

 台所、食堂、居間それに連なる書斎、応接間や座敷は、ひとつながりの空間として一体につくります。そうすれば、玄関ホールの引戸を開けた瞬間から家族のふれあいが自然に多くなります。  
☆階段は家族空間の中に設ける。

 階段は、玄関ホールではなく。居間等に設けることで、一階と二階の行き来のたびに、家族のふれあうチャンスを増やす役割を果たします。  

吹き抜けは家族空間の中に設ける。

 同様に、吹き抜けも玄関の上にではなく、家族空間と二階の子供の共用空間とつなげることで、分断されがちな上下の生活を一体につなげます。  

子供部屋は個室としてつくらない。

 子供部屋が子供の部屋として機能するのは、十年あまりのことです。すでに述べましたように、個室につくってしまっては転用性がほとんどなく、子供の出て行った後は使いようがありません。将来永く使用するためには、がらんどうに上手につくることが原則になります。 

老人室は家族空間の側につくる。

 老人室は静かな離れにつくる、が一般的常識でしょうが、間違いではないでしょうか。歳をとるほど日本人の顔がでてきます。つかず離れずが日本的人間関係の原則です。家族の雰囲気を感じながら何かをしていてこそ安心できるのが家庭の中の日本人です。やはり、老人室も、家族の雰囲気が感じられる所に設けた方がいいのです。家族空間にひとつながりに広がり、同時に、個室としても使用できるように工夫できればいいでしょう。干渉空間として開閉自在なさやの間を、老人室と家族空間の間にはさむのもその一例です。 

引戸を多用する。

 さきほどのさやの間もそうですが、子供部屋、応接間や座敷などを変幻自在に可変空間として使いこなす役割を果たしているのか、引戸です。引戸ほど日本独自のものはありません。この引戸の特長を上手に引き出して広がり空間を自由自在に使いこなしてみてはいかがですか。
 以上、広がり空間の原則を簡単に述べましたが、家族のさりげないふれあいを前提に考えれば、当り前のことばかりではないでしょうか。
 ここで広がり空間を別の観点から見てみましょう。
健康な住宅の最低の条件は、風通しと陽当りです。日本は北海道を除いて湿気の多い土地柄ですから当然のことです。
 何LDK は、風通しがいいでしょうか。中廊下で間取りが分断されていますから、いいわけがありません。陽当りだって中廊下で分断されていますね。
 何LDKは、家族のふれあいを分断しているだけではなく、気候や風土からみても、日本には向いていない間取りの方法だったのです。
 一方、広がり空間は、日本の気候、風土、人の心、生活習慣などに裏うちされた技術なのです。しかし、広がり空間は、冬、寒く、暖房が効きにくいと感じられている方も多いのではないでしょうか。広がり空間を前提に、一年を通じて健康性と省エネルギーを実現した住宅を次からご紹介していきましょう。